CF班

まる子ムの生息地です。本読んだりゲームしたり。

パルプ・フィクション/クエンティン・タランティーノ/1994

パルプ
1.柔らかく湿った形状のない物体
2.質の悪い紙に印刷された、扇情的な内容の出版物

映画冒頭より




イケてない強盗カップルのパンプキンとハニーバニー。
冷徹だが少しドジなヴィンセントと、殺しの前に聖書の文句を暗唱するジュールスの2人組のギャング。
2人のボスの若妻のミア。
八百長試合を持ちかけられた落ち目のボクサー、ブッチ。


バラバラの登場人物にバラバラの時系列。やがてそれぞれの物語が交錯していく。
全編を通して、だらだらとした気だるい会話で話が進む。


黒髪おかっぱのユマ・サーマンが映画のイメージ画像にででーんと出ているから、てっきり彼女が主役だと思っていたけど、出てきたのは2つぐらいのエピソードだけだった。


ヴィンセントとミアが、“エルヴィスっぽい店” で食事をするシーンがいい。ここでもだらだらと会話をした後、店のゲスト参加型の出し物で、ステージでダンスをする。笑いながら踊りそうなシーンなのに、2人とも超真顔。カメラワークが最高。イカしたツイストで2人はみごと優勝を果たす。


あとは、ブルース・ウィリス演じるブッチが鼻血まみれになってボールギャグ咥えさせられてるとかね。インパクトがすごかった。ありがとうございます。


この人の映画はグロなんでしょ? という先入観で身構えていたけど、血しぶきは出てこない。
クライマックスは派手なアクションではなく、静かな会話シーン。
ジュールスがエゼキエル書25章17節の引用をしているので、聖書を開いてみたけど、その文言は見つからない。
調べてみると、聖書にそのような文言は存在せず、実際はタランティーノが大好きな千葉真一の映画からの引用だそう。


「羊飼いになろうと、一生懸命努力している」


ジュールスの言葉。どういう意味?
全編通して、いくらでも深読みできる映画だと思った。でも考えなくても楽しめる。ゴキゲンな音楽あり、暴力にドラッグあり、下品な言葉に、セックス……は、あるにはある(笑)
とても好きな部類のやつです。


監督の、これが好きだ!という断片をつなぎ合わせた映像作品だという感じにも見れる。
でも、その後の登場人物たちがどうなるのか気になる終わり方ばかりだった!