非情の女豹/大藪春彦/1982
ロンドンに本拠をもつ国際秘密組織スプロ。そこは悪どい荒稼ぎや、法で裁かれない悪への復讐代行などを行う裏の組織である。
小島恵美子はスプロの女エースであり、抜群のプロポーションをもつ嗜虐嗜好のあるレズビアン。
容赦なく獲物に食らいつき、敵に死を贈る彼女はまるで『女豹』のようであった……
女スパイがカッコよく敵を倒していく痛快アクションだと思い込んでいた私、ポカーーーーンですよ。途中から、自分はいったいなにを読まされているんだ?????という感情に何度も襲われました。
端的に言うと、人間の邪悪なフェティシズムをこれでもかというほど詰め込んだ、著者の趣味全開の変態小説でした。ぶっ飛びすぎていてもはやエロスを微塵も感じられなかったのが逆にすごい…
例えば、「下着泥棒+女装趣味+女子学生寮を標的とした放火魔+燃える家屋から逃げる女の子たちを見ながら自慰しまくる」という濃すぎる性癖の持ち主が出てきたり。笑いました。
主人公の恵美子さんは、任務遂行上ジャマだと判断した人間は、大悪党もしょーもないモブも男も女も老いも若いも関係なく皆殺しにします(戦慄)
しかも男に対しては、恨みがあるのかというほど急所をいたぶってから殺す。それはもう創意工夫に満ちたやり方で…(戦慄2回目)
ライターでちんこを炙ったり、刀で玉袋を裂いたりする拷問描写はさすがに気分が悪くなりました 汗
あとは……ナチの軍服でSMプレイ(サドマゾのお決まりごとをすべて網羅していて感動すらした。エロは感じなかったけど…!)死姦、歯医者や産婦人科の診察台でレイプ、淫楽殺人、犯してから殺して内臓を食べる、死体から抜いた血を寝酒がわりに飲む、3P(男が真ん中)、獣姦…とかに耽る方々が登場します。(まったく書いてるだけでお腹いっぱいになってくる)
前述のような痛々しい拷問シーンがこれでもかというほど登場します。もう一回言いますが恵美子さん本当に男のちんこやおしりの穴いじめすぎですから…
あと、彼女にいたぶられるモブ失禁しすぎ問題。これも著者の趣味なのかな?
いろいろハードで読み進めるのにまあまあ気合が必要でした。とにかくびっくりするぐらい人が死にます。これ一冊だけでいったい何人が死んだ???
『非常の女豹』というタイトルに押し負けない、非常な恵美子さんの濃いキャラに拍手です。