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まる子ムの生息地です。本読んだりゲームしたり。

ランゲルハンス島の午後/村上春樹、安西水丸/1986

 

ランゲルハンス島の午後 (新潮文庫)

ランゲルハンス島の午後 (新潮文庫)

 

 

村上春樹安西水丸共著のエッセイ集。読んだのは文庫ではなく、大きいハードカバーのやつです。図書館で借りました。

 

分子生物学者の福岡伸一先生が著書『動的平衡』の中で本著を紹介していました。

関係ない話ですが、作家を「先生」と敬称で呼ぶことにいつも引っかかりを覚えます。なぜならはっきりいって自分とはなんの接点もない人やから…大沢在昌先生とか神林長平先生とか呼ぶ自分はいったい何様なんやろう?と思ってしまい(汗)かといって呼び捨ても失礼なのかな?と堂々巡りを始める…

でも、福岡伸一先生だけはナチュラルに「先生」をつけたくなる不思議!「博士」でもいいかもしれないです。

 

頭の下に敷いた生物の教科書からもやはり春の匂いがした。カエルの視神経や、あの神秘的なランゲルハンス島からも春の匂いがした。(中略)まるで春の渦の中心に呑みこまれたような四月の昼下がりに、もう一度走って生物の教室に戻ることなんてできやしない。1961年の春の温かい闇の中で、僕はそっと手をのばしてランゲルハンス島の岸辺に触れた。

「ランゲルハンス島の午後」より

 

ランゲルハンス島とは、膵臓の中の重要な細胞群のことです。膵島ともいう。閉じた瞳の裏でランゲルハンス島に触れる…なんて、なんとも詩的です。実物は自分の身体の中の中にあるものなのだから。

そしてこの雰囲気の文章はそのまま、福岡伸一先生の「生物と無生物のあいだ」のプロローグとエピローグに通ずるものがあります。(特にこのプロローグは魂を打ち震わせられるなにものかが宿っているんですよ。何度でも読み返したくなる名文です)

この小文は、雑誌掲載のエッセイを単行本化するときに書き下ろされたものです。

 

村上春樹のエッセイ集は初めて読みましたが、肩の力を抜いて軽く読めてよかったです。何気ない日常の疑問や好きなものや気づきなんかがつらつら書きつらねてあり、面白かったです。

 

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昨日はご縁があって、お会いしたかった方と読みたかった御本に出会う事ができました。

いやほんと、自分の身に起こるすべての出来事に意味があるんですよきっと。おと●ゃサンの実況見てたのもデトロイトにハマったりしたのも幻覚カプに狂わされたのも…思いつきでイベントに行ったりしたことも悪いと思ってたことが良いことにつながっていたりすることも…

創作はやっぱり自分が楽しまないとなぁ〜!すごくそう思えて、新しいなにかを書くのが楽しみになってきました。

待ち合わせ場所に行く途中で、「注意!!自分のこと話し過ぎない!!相手の話をよく聞くこと!!」とかスマホのメモに書いててワロタなにひとつ守れずすみません…

でも楽しかった〜〜〜〜!