クレプスリー伝説1-4巻/ダレン・シャン/2007-2011
ダレン・シャン前史 クレプスリー伝説 1 殺人者の誕生 (児童単行本)
- 作者:ダレン シャン
- 発売日: 2011/04/20
- メディア: 単行本
『ダレン・シャン』に登場するバンパイア、ラーテン・クレプスリーの物語。
『ダレン・シャン』では、クレプスリーはいろんな人(バンパイア)から好かれていて、尊敬されている。めっちゃ強いし、情に厚くて優しさにあふれてるし。
しかし過去に、多くの失敗と挫折、絶望を経験してきたようです。自分の進むべき道に悩んでさすらったり、大切な人を亡くして苦しんだり。
クレプスリー好きの自分としては萌えポイントいろいろありましたが、やはりいちばんはオレンジ色の髪の由来でした。
髪の毛になにかされるのってすごく暴力的で「支配されている」感がすごいと思うんですよね…
幼少期のクレプスリーがそんな目に遭っていたのだと思うとめっちゃ興奮しますわ。
あと個人的に、「クレプスリーは読み書きができない」ってのがのたうちまわりたくなるポイントです。
なんでやろう。“我が輩”とか言っちゃうキャラなのに…てなるからかな。(この古めかしく堅苦しい口調は、彼の師匠のシーバー・ナイルを真似たもの。昔はもっと砕けた言葉遣いだったのが新鮮でした)
「生きて戻れたら、読み書きを習わねばならん。ばかげた話だ。この年になるまで、読み書きを学ぶ時間をとらずにきたとは……」
あるシーンでこうこぼすんですが、これめちゃくちゃいとおしくなる。
バンパイアの寿命は人間よりはるかに長いのに、言葉を学ぶのは骨が折れる作業なのかな、とか思ったり。
バンパイアは物語を口で伝えればいいのに対し、人間はこの世界にいられる時間が短すぎて、後に残すには書き残すしかないんですね。
しかし読み書きができれば、自分の世界は拡張する。
これも『制約からくる自由』なんだなぁ…などなど!
*
これでダレン・シャンシリーズともお別れかと思うと寂しいです。
あざやかな赤の衣装、奇怪なオレンジ色の髪、真っ青なはだ、左ほほの傷……
クレプスリー好きだ〜〜〜〜
「人生は短くて、だれかをにくんでいるひまなどありませぬ」
何百年も生きるバンパイアがこう言うに至った物語、本当に面白かった!
じゃあ〜〜最後はこれ!
“死してなお、勝利の栄冠にかがやかんことを!“